彼女にはもう一人、
本命の相手がいました。
それを知りながら、
「まだ俺にも可能性がある」と思って
都合のいい立ち回りを続けていました。
約束は後回し、予定は曖昧、
会えば優しいのに、
決める瞬間だけはいつも向こうじゃない方でした。
相談した願いは
「俺を選んでほしい」
というものでした。
奪うとか勝つとかそういう言葉は怖くて、
言い切れませんでした。
相談から少し経って、
久しぶりに向こうの話を聞く機会があり、
その中で本命だった相手との関係が
完全には成立していなかったことを知りました。
そこから連絡の頻度が増え、
会う口実も向こうの方から作られるようになりました。
そして先日、
「あなたの方が楽だ」と言われました。
それが褒め言葉なのかどうかは分かりませんが、
選ばれたことだけは確かでした。
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