家庭がありながら、彼女の存在に溺れていた。
家では夫としての役割、外では男として求められる居場所。二つの世界を行き来する生活は、最初は刺激的だったが、次第に心を削っていった。
彼女の視線には、独占欲と不安が混じっていた。抱きしめるたびに、その執着の強さが伝わってきて、逃げたくなる自分と、手放せない自分がぶつかっていた。
中途半端な関係を続けるほど、どちらも壊れていくのは分かっていた。
晋明会様にお願いしたのは、決断の背中を押してほしかったからだ。
やがて不倫は発覚し、家庭は修羅場になった。慰謝料、職場への影響、信用の失墜。社会的制裁は容赦なく、これまで積み上げたものが音を立てて崩れていった。
それでも私は彼女を選んだ。
嘘の上に成り立つ生活を続けるより、全てを失ってでも本音で生きる道を選んだ。
綺麗な物語じゃない。だが、二重生活という地獄から抜け出せたことだけは確かだ。代償の重さを背負いながらも、ようやく自分の人生に責任を持てるようになった。
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